高度化・多様化・国際化する未来の情報化社会を支える知能・情報システムに関する,理学から工学にわたる幅広い知識と技術を有する人材を養成することを目的とする.特に,情報分野の基礎知識に基づいた問題発見能力,計画立案能力,課題解決能力を有する人材を養成する.
この目的達成のために,基礎科学の広範な知識に加え,情報工学,知能工学における専門的な知識を修得し,更にそれらを融合する学びにより,知的で創造的な情報システムの開発に貢献できる実践的能力を育成する.
特に,社会的ニーズを理解することで,新たな問題を発見し,その解決手法を自発的に探求できる能力の育成を重要点とする.また,チームにおける自分の位置づけを理解し,自己の責任を協調的に果たしながら,自分の意見や考えを明確にプレゼンテーションできる能力を育成する.

教育理念

カリキュラムポリシー

知能情報コースでは,情報工学および知能工学の知識と技術を活かして創造性を発揮し,イノベーションを創出できる人材の育成をめざす.また,地域社会に知識と技術を還元できる人材,及び世界規模の産業構造や社会経済の変化に柔軟かつ的確に対応し,グローバルに活躍できる人材の育成をめざして,以下のようなカリキュラムを編成している.

  1. 学ぶことに対する興味と意欲に溢れる人材を育成するため,豊かな人格と高い倫理観を身につけ自発的に学習する態度を養う教育を行う.
  2. 事象や課題を論理的に解析できる分析力と探究力をもつ人材を育成するため,理学的素養の上に情報工学・知能工学の基礎知識を十分に理解させる教育を行う.
  3. 自ら問題を解決し,その方法と過程を表現できる人材を育成するため,情報工学・知能工学の専門知識による問題解決力と表現力を養う教育を行う.
  4. 確かな知識に基づいて地域社会や国際社会に貢献できる人材を育成するため,情報工学・知能工学の諸問題に,科学技術を広く俯瞰して柔軟に対応できる自律的応用力と創造力,さらにチーム内での自分の役割を理解し協調的に課題を解決できる能力を養う教育を行う.

ディプロマポリシー

知能情報コースでは,次の能力を有すると認められた者に学士の学位を授与する.

1.知識・理解
(1)数学,自然科学および情報工学,知能工学の専門的知識に基づき,複数の理学と情報工学,知能工学分野を組み合わせて問題を解決できる.
(2)複数の理学と情報工学,知能工学の専門的知識・技術を活用して情報システム全体を俯瞰できる.
2.汎用的技能
(1)系統的な専門教育課程のもとで情報,知能の科学技術に関わる課題を創造的に見出し,与えられた制約のもとで論理的に問題解決できる.
(2)日本語による論理的な記述力,口頭発表力,討議などのコミュニケーション能力及び国際的文化を理解し,国際的に通用するコミュニケーションができる.
3.態度・志向性
(1)科学技術に携わるものとして,幅広い視野で社会的責任と倫理観を絶えず意識しながら個々の使命感を持って自律的に行動できる.
(2)常に目的意識を持って継続的,自主的に学習でき,独自の工夫やアイデアにより新しいものを創出できる.
4.統合的な学習経験と創造的思考力
(1)現状の情報システムにおける社会的課題を分析し,複数の専門的知識・技術を統合して解決し,その成果を社会に還元できる.
(2)情報技術の関連分野のみならず,システム設計の能力を活かせる各分野で柔軟かつ幅広く活躍できる能力をもち,国内外の社会に貢献できる.

カリキュラムの特徴

【昼間コース】

知能情報コース(昼間コース)のカリキュラムは,学科の学習・教育目標を確実に達成できるように設計されています.
(1) 導入教育科目の開講
新入生に対する導入教育科目として,専門教育科目「知能情報工学セミナー」を開講しています.この科目は,新入生を10名程度のグループに分けた小人数制で実施しており,

  • 知能情報コースの教育・研究内容を周知徹底させる
  • 各研究室の研究内容等を知ってもらい,知能情報工学に対する興味や学習意欲を向上させる
  • 早急に計算機に親しむように簡単な実習等を行って,知能情報工学科の学生としての自覚をもたせる
  • 大学生活の送り方,講義の受講および研究のための心構え,社会人としての常識等を身に着けさせる

(2) 科目間のバランス
本カリキュラムは,専門色の強い専門応用科目の割合をあえて低く押さえ,専門基礎科目を中心に編成しており,専門基礎教育を受けた学生が優れた工学技術者となることを目指しています.その上で,学生が自分自身の能力や興味に応じて,履修計画をたてることができます.よって,必須と考えられる科目(導入教育科目,専門基礎科目の一部,創成型科目および卒業研究)を除き,多くの専門教育科目を選択科目としています.

(3) 創造性早期育成科目の開講
本カリキュラムにおいては,2年生および3年生を対象として,創造性の早期育成を目指したチームによる本格的なプロジェクト達成型の創成型科目(「ソフトウェア設計及び実験」ならびに「システム設計及び実験」)を開講しています.これらの科目は,単に創造性のみならず,チームによるプロジェクト達成にとって不可欠となるコミュニケーションならびに自己学習などの能力を育成することも目指した本格的な創成型科目です.
(4) 工学倫理教育科目の開講
情報通信や知能工学の分野の研究開発に携わる人材には,さまざま倫理教育を行っていく必要があります.本カリキュラムでは,一部の専門教育科目の中で工学倫理教育に時間を割いたり,工学倫理に関連する専門教育科目「技術者・科学者の倫理」を開講したりしています.
(5) インターンシップへの対応
本学では,インターンシップ制度が導入されており,学生は夏季休業期間等を利用して,企業等において短期間の研修を受けることができます.本カリキュラムでは,このような研修を通しても単位を修得できるようにするための専門教育科目「短期インターンシップ」を開講しています.

【夜間主コース(フレックス履修制度)】

平成25年度(徳島大学工学部)より夜間主コースに「フレックス履修制度」をスタートしました.この制度は,夜間主コースの履修形態を変更して,昼間の学生と一緒に多くの授業が受けられる教育プログラムであり,自由度の高い履修方法と経済的な授業料で学べる魅力的な履修制度です.
知能情報コース・夜間主コースは,昼間コースと同じ教育方針,学習・教育目標を採用しています.知能情報コース(夜間主コース)のカリキュラムは,フレックス履修制度に基づいて,学科の学習・教育目標を確実に達成できるように設計されています.

(1) 科目間のバランス
本カリキュラムは,専門色の強い専門応用科目の割合をあえて低く押さえ,専門基礎科目を中心に編成しており,専門基礎教育を受けた学生が優れた工学技術者となることを目指しています.その上で,学生が自分自身の能力や興味に応じて,履修計画をたてることができます.よって,必須と考えられる科目(導入教育科目,専門基礎科目の一部,創成型科目および卒業研究)を除き,多くの専門教育科目を選択科目としています.
さらに,ほとんどの専門教育科目において,学生には課題を頻繁に与えると共に教員によるオフィスアワーを充実させるなどの措置を通して,専門基礎教育の充実をはかっています.

(2) 創造性育成科目の開講
本カリキュラムにおいては,3年生を対象として,創造性の育成を目指したチームによる本格的なプロジェクト達成型の創成型科目「ソフトウェア設計及び実験」を開講しています.これらの科目は,単に創造性のみならず,チームによるプロジェクト達成にとって不可欠となるコミュニケーションならびに自己学習などの能力を育成することも目指した本格的な創成型科目です.

(3) 工学倫理教育
情報通信や知能工学の分野の研究開発に携わる人材には,さまざま倫理教育を行っていく必要があります.本カリキュラムでは,一部の専門教育科目の中で工学倫理教育に時間を割いています.